平成28年11月17日(木) |
トランプ氏勝利に伴う緊急月例集会(2) 〜〜国際経済の展望〜〜 |
太田 宏先生
読売新聞西部本社 前最高顧問・元社長
概要
これから世界は、アメリカ、ロシア、中国という3大帝国主義の世界になるだろう。その周辺国である日本や韓国も、たいへんな目にあうかもしれない。中国国内の少数民族への抑制も相当強くなるのではないかと危惧している。北朝鮮の核武装が、今後どうなるかということもある。こうした視点から見ると、ロシア、インド外交を重視している安倍さんの姿勢は、中国を牽制する上で、相当いい線をいっていると見ていい。
トランプは、規制の緩和で2500万人の雇用をつくると言っているが、どうなるか。レーガノミクスの真似をしようとしているのではないか。市場は、今のところいい反応だ。株価が上がり、ドル高円安になってきた。ただこの円安について、トランプは許容するはずはない。過去の為替変更はいつも共和党大統領のときだった。1971年のニクソンショック、1985年のレーガン時代のプラザ合意は共に共和党時代だ。これらの標的は、日本だったことは間違いない。同様にトランプが為替に介入してくる確率は、相当高いと読んでいる。いま円安に反応して、日本の株価が高くなっているが、これはほんの一時期の現象であり、中長期的に見ると、円高になるだろう。
TPPは、参加12カ国だが、そのうちアメリカは60%のGDPを占めている。だから、「アメリカ抜き」では意味がない、という話になる。
トランプ氏勝利に伴う緊急月例集会