政治経済部会作成要請書第10号、政府宛提出要請書通算136本目、平成22年4月30日提出 |
わが国の少子化問題克服のための緊急提言 |
【要請の趣旨】
鳩山政権が、マニフェストにおいて、他党よりもかなり積極的な少子化対策を掲げられたことは、この事態の重要性を認識されている証拠であり、その姿勢には、心からの敬意を表するものであります。それについて、私どもの団体でも、この国家的課題に熱心に取り組んできておりますので、当方の考えも御参考にしていただきたく、要請する次第であります。
要旨を掲げますと、
1、我が国の少子化問題克服は、まさに時間との競走になりつつあり、出生率の大幅な改善は焦眉の急であります。政府は、まず、この少子化の事態、そしてそれが日本の将来に及ぼす深刻な影響を、国民に、分かりやすく具体的に認識していただけるよう、更なる、啓発・広報活動に努めていただきたい。併せて、出生率の大幅な上昇が年金財政見通しはじめ、すべての面で好循環をもたらすとのシミュレーション事例を国民に提示し、前向き志向の政策論議キャンペーンを展開していただきたい。
2、少子化問題克服のために、出生率が最低となった時点から、比較的短期間で立ち直って、合計特殊出生率(以下「出生率」という)「2.02」を実現したフランス国のやり方を分析し、その可能な部分を日本で実行に移していただきたい。
3、「出産費用」の国家負担は結構であるが、日本の場合は、受入れ先病院に問題があり、たらい回しで妊婦が亡くなるケースがあるので、受入れ施設とともにその対応策が必要なこと。
4、子ども手当、月額2万6千円の支給が、子どもに使われずに、ローンの支払いや生活費に回されることのないような方法をとる。また、第一子、第二子、第三子以降で支給に格差を設ける方法を。
5、保育所や学童保育施設については、新しく建設する余裕もないので、学校の空き教室や空き店舗の活用を検討し、育児経験のある社会人の参加・活用が可能となるシステムを考えていただきたい。
6、少子化対策には、継続した財源が必要なので、国民に実情を説明して、基本的には目的税としての消費税をもって充てることとし、これを「少子化対策目的税」とすることを明確にしていただきたい。
7、出産・子育てに対する経済的支援については、「手当支給」のほか、「控除など税制上の優遇措置」も、併用していただきたい。