教育部会作成要請書第42号、府宛提出要請書通算133本目、平成21年6月1日提出
「中等教育の改革と質の向上」をわが国再興の柱に!
 ――その具体的方法を提案する――

【要請の趣旨】

中等教育(中学校・高等学校)は、社会生活へ向けての人格形成・学力向上のため、極めて大切な時期である。そのため、欧米先進諸国では、この半世紀以上、国際化・複雑化する制度改革・質的改革を行ってきている。これに対して、我が国は、問題の多い6・3・3制を見直すこともなく、教育の質的改革も進まないできた。その結果、国際比較において学力の低下はひどく、また、人格形成が不十分なために、中学校・高等学校の段階で、いじめ・非行・暴力、さらに殺傷など精神構造異変を思わせる事件が多発してきている。
 国・文部科学省は最近、中学校の学習指導要領を改訂するなど、質的改革に取り組む姿勢はみせている。それは、第1章総則の「第1 教育課程編成の一般方針」の冒頭に「・・・生徒の人間として調和のとれた育成を目指し、地域や学校の実態及び生徒の心身の発達の段階や特性等を十分考慮して、適切な教育課程を編成するものとし、これらに掲げる目標を達成するよう教育を行うものとする。・・・・」と書かれているのにも現れている。
 この文言は、決して誤ってはおらず、正しい。しかし、こうした抽象的な文言を、現場の教師が読んでも、これを、どう教育現場において実践するか、その手段・方法に戸惑うことだろう。そこで、当団体は、この中学校の学習指導要領・第1章に書かれた文言を実践する具体策・内容として、以下の教育の仕方を、ここに提案する次第である。
○中学校の学習指導要領・第1章総則の抽象的文言を、教育現場で具現化する手段・方法1、基礎的。・基本的な知識・技能を獲得して、「考える力」を身につけさせること
 A 〔考える力〕知識・技能を活用し、地域・地球規模の事象につき創造的な思考能力
 B 〔探求する能力〕好奇心をもって、自主的に学習し、生涯にわたって探究する能力
 C 〔文化の多様性を認識する能力〕自国の歴史・文化とともに、他国の歴史・文化も
2、他人と協力し合い、良い人間関係をつくる能力の養成
 A 〔自己を振り返る能力〕自分の長所と限界を理解し、謙虚に人と対応する能力
 B 〔心を開く能力〕常に人の意見に耳を傾け、意見を交換して、自己を高める能力
 C 〔思いやりの心〕他人の立場を理解し、社会生活・環境を良くする能力
3、正義感を持って、国内外の社会に貢献する能力の養成
 A 〔挑戦する能力〕未経験な状況に、常に勇気と先見性をもって取り組む能力
 B 〔自・他の共存を図る能力〕自分と他人・周囲との調和が図れる能力
 C 〔国際社会へ貢献する能力〕より平和な世界の構築に貢献できる能力
◎文部科学省は、中学校の学習指導要領・第1章総則の具体的内容は、上記のような能力を養うためにあることを、教育現場へ通達を出していただきたい。

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