教育部会作成要請書40号 政府宛提出要請書通算130本目、平成21年6月1日提出
教育・精神の荒廃、家庭・家族の崩壊を、
阻止・是正するため、民法家族法を改正し、
「家庭の扶助」「親族の協力」を規定頂きたく

【要請の趣旨】

わが国で、教育の荒廃、その是正が叫ばれて久しいが、現実には、なお、親が子を殺し、子が親を殺し、学校では「いじめ」で自殺者を出し、また、一般社会でも、精神構造異変を思わせる事件が続発し、一向に是正・健全化されていないのが現実である。  私どもは、この根本原因を探求した結果、それは、わが国憲法の人権規定が「個人の権利」を強調し、本来、家庭・家族の本質ともいうべき「家庭の親愛・扶助」「一族の融和・協力」を規定しておらず、民法にもそうした規定がない、ことに原因があると痛感するにいたった。
 こうした規定を置くには、本来は、現行憲法を改正するのがのぞましいが、私どもは、憲法を改正しなくとも、民法の家族法を改正して、こうした「家族の親愛・扶助」「一族の融和・協力」を明記することが十分可能であると考え、ここにその論理を提起するものである。
 その理由の骨子は、以下のとおり。
1)現行憲法は、周知のように、被占領下で、マッカーサー総司令官によって、連合国総司令部(GHQ)の多少法律の分かるスタッフが選別され、彼らが起案し、日本側が僅かに手を入れることを許されて、成文化され、制定されたものである。  その際、第三章〔人権規定〕の原案を作成したのは、GHQのタイピストであった。ベアテ・シロタ・ゴードン女史である。彼女は総司令部案第23条に「家族は人類社会の基底にして其の伝統は善かれ悪しかれ国民に浸透す。・・・」と書いた。つまり、GHQ原案には『家族は人類社会の基底』という表現が存在していたのである。しかし、この表現を削除したのは、本要請書の本文に記すように、なんと、これを受け取った日本側の学者であった。
 しかし、こうして、日本国憲法から削除されたとはいえ、「家族」は、ベアテ・シロタ・ゴードン女史が書いたように、『家族は人類社会の基底』であり、人類普遍の原理である。したがって、『家庭』『家族』は、法文に、書いてある、書いてない、にかかわらず、人類発生当初から、人間の重要な構成単位である。
2)現行憲法は、「家族」という言葉を使っているとしても、それは、「個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して」という2条件を付してやっと認めているにすぎない。そうしたところから、日本では「家庭の崩壊」「家族の疎遠」が止まらず、おかしな事件が続発しているといえる。そこで、私どもは、「家庭の親愛・扶助」「一族の融和・協力」ということは、憲法を改正しなくとも、それは、人類発生当初からの重要な構成単位であり、「人類普遍の原理」であるから、改正のより容易な、民法の中の家族法を改正して、こうした「家庭の親愛・扶助」「一族の融和・協力」といった表現を入れることは、法的になんら差し支えないことなので、政府・国会は、ぜひ、こうした民法の改正に取り組んでいただきたい。要請書の本文には、この民法改正の正当性の論拠を、より詳しく論証しているので、詳細は、要請書の本文を、ご覧いただきたい。

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