医療福祉部会作成要請書8号、政府宛提出要請書通算127本目、平成20年3月17日提出 |
「メタボリック・シンドローム」対策の問題点と、 緊急に是正を要する二、三の点についての要請 |
【要請の趣旨】
今春に開始が予定される、表記対策の基礎となる「特定健康診査・特定保健指導」
(以下、「特定健診」事業、または、単に、「本事業」という。)は、その規模の大
きさ、健診項目の多さといい、我が国衛生史以来の壮挙として、高く評価され、その
成否は、国内はもちろん、世界の注目するところである。
しかしながら、その反面、その重要性のゆえに、厚生労働省が本事業計画を公表し
て以来、多くの異論や批判が寄せられ、特に、「特定健診」により、「異常者」と、
「健常者」を振り分ける基準となる医学的数値(以下、「判定値」という。)につい
ては、内外の学会、専門団体から、医学的根拠が薄弱である、あるいは、根拠として
いる調査は、対象者が少なく統計学的に問題ある、などの指摘があり、その中には、
無視することが出来ないものがある。(例、腹囲、血圧、コレステロールほか)
当団体は、かねてから、本事業に関し、その事業の重要性に着目し、易学者、医療
統計学者、健康診査関係者、公衆衛生行政経験者などを主要メンバーとする専門委員
会を設置し、一年間あまりに亘り、十数回の会合を重ね、慎重かつ熱烈な討議を進め
てきた。
その結果、本事業は、当初の期待に反し、患者数の大幅な増加の可能性が高く、医
療費の急増を招き、無用の服薬を助長し、健康被害や医療被害を招き、人心の不安と
社会的混乱を惹き起こす危険性を内包していることが判明したので、本事業を円滑に
展開するためには、先の項目を修正するべきである、との結論に達した。
よって、その重要性に鑑み、ここに、緊急提案する次第である。
なお、その実施に当たっては、「日本公衆衛生学会」の声明文(2007年3月)
は、公衆衛生行政側からの貴重な意見として尊重されるべきもので、当団体としても、
強く推薦するものである。
よって、本事業に反映させるよう、あわせて申し入れる。