災害時緊急支援体制検討委員会起案要請書1号、政治経済部会作成要請書8号、政府宛提出要請書通算125本目、平成18年2月22日提出 |
大震災・大事故に当たり、迅速な人命救助・ 被災地復興支援のため、全国主要地に予め基地を設け、 救援する具体策を提案する |
【要請の趣旨】
我が国は、昔から世界に知られた地震国であり、前世紀末からでも、阪神淡路大震災、中
越地震、福岡地震があり、地震学者からも、近く東海・東南海・南海、あるいは関東大震災
などの可能性が予想されております。
私どもは、11年前の阪神淡路大震災、中越地震などにおいて、瓦礫の下敷きになった人
の救済が捗らず、また、無残に焼死したり、仮設住宅も十分でなく寒さに震えている方々の
映像が、しばしばテレビや新聞・雑誌などで報道されるたびに、こうした報道が続くと、そ
れは、時の政府への不信感につながることを憂え、平成17年1月7日、時の細田博之内閣
官房長官にお目にかかり、数本の要請書を提出した中の一本、『国家の将来にとって喫緊の
課題については、内閣府に特別予算枠を設け執行いただきたき要請』の1項目として、こう
した大震災(特にマグニチュード5以上)に当っては、地方自治体や省庁ではなく、まず、
内閣府が直接、救援の指揮と直接の対応をとっていただきたい旨、要請をいたしました。
これに対して、政府も、学者等を集め中央防災会議を充実・推進するなど一応の対応を考
えて下さいました。また、当団体も、その後、内部に「災害時緊急支援体制検討委員会」を
検討設置して、当団体は、学者よりもむしろ現場の分かる方々に集まってもらい、10ヶ月
ほど検討を重ねた結果、さまざまな具体的対応策を考え、また、特に、日本全国に約8つの
基地を設け、どこに巨大地震や津波が発生しても、ヘリコプターを中心として、30分以内
で駆けつけ、3時間以内に瓦礫の下の人命を救出し、迅速に手術などの医療行為に着手し、
その他、消火活動、飲料水・生活用水・食糧の供給を行う、各種の大震災・大事故対策をま
とめましたので、政府におかれても、お読みいただき、ぜひ取り上げて下さるよう、お願い
申し上げる次第であります。
その要旨を掲げると、
(1)瓦礫に埋もれている人を出来る限り短時間に救出するため、自衛隊所有の大型ヘリコプターで(組立てなしの)12トン前後のハサミ重機を、被災現場に空輸する。
(2)送電線断絶等の復旧に時間がかかるので、救助の為の照明、手術、暖房等の為、ディーゼルエンジン発電機やコンプレッサーを、大型ヘリで空輸する必要がある。
(3)大震災に付きものの火災消火のため、小型消防自動車を空輸するほか、消火のための給水ポンプや高圧送水ホースも、早急に空輸しなければならない。
(4)救急ヘリで医師・看護師を運ぶのはもちろん、手術用・治療用の医療機器類をはじめ手術・診療用の大型テント、その他、純水他各種医薬品も早急に空輸する必要がある。
(5)被災地内で、救援活動・通路開設のためのクローラーシュー(鉄製の無限軌道走行装置)付小型車両、資材運搬用の小型トラック、担架、車椅子、その他、電動カッターはじめ各種のいわゆる小道具も必要である。
(6)大震災などの被災地では、通常、一般電話や携帯電話が通話不良となるので、被災地の被害現状を把握し報告するための緊急交信・指令用通信のため、衛星通信施設を用意する。
(7)被災者が、体育館、学校などの公共的施設へ収容されたのちには、非常用食糧・飲料水はもちろん、洗面・炊事・洗濯のための生活用水も用意しなければならない。
(8)就寝時の毛布はもちろん、寒気には防寒用寝袋、防寒具、暖房機、冷房装置も、早急に用意する必要がある。
(9)避難所にも、暖房・冷房、炊飯のために、出来るだけ早急にディーゼルエンジンの発電機を設置し、100人用の灯油バーナー式大型炊飯器も運びたい。
(10)避難所などで、特に困るのはトイレである。当団体では、下水管を必要としない気化式トイレの開発を指示し、現在実証が進んでいる。簡易浴室・シャワー室も検討中。
(11)乳幼児や高齢者用のオムツも用意しておく必要がある。また、妊婦や体調を崩した高齢者は優先的に、小型ヘリコプターで、被災地外の病院へ運ぶ必要がある。
(12)当団体では、以上のような具体策を検討した結果、日本全土を7〜8地区に分けて、各地区に、災害時緊急支援対策のための基地を予め用意して、大震災などが発生した場合、30分から1時間以内に被災地へ前記資材等を空輸する必要があるとの結論に達した。
(13)この、災害時緊急支援対策のための基地には、自衛隊のCH47型など大型ヘリはじめ、小型ヘリが着・発信できるヘリポートが必要である。
(14)CH47型大型ヘリを持つ陸上・航空自衛隊では、上述した各種機材・資材・器材の迅速収納・搬出はもちろん、つり下げ空輸の訓練が必要である。
また、海上自衛隊所有の日本製大型四発飛行艇につき、当団体では、メーカーに、約10トンの水・海水を運んで消火に当れるよう、その構造設計の研究を要請中である。
(15)なお、これら各地の基地には、ヘリの発着ポートのほか、上述した各種の機材・資材・器材、そして当面の飲料水・医薬品・食糧・衣料を備蓄して置く倉庫を建てておく必要がある。その各基地の敷地としては、約8,000坪〜10,000坪を想定している。
(16)それら備蓄倉庫には、A)災害現場へすぐ運ぶもの。B)避難場所へ運ぶもの。C)災害状況により、特に備え置くべきもの。また、引火しにくい灯油・軽油などの貯蔵庫等々に分けた倉庫が必要であるとして、それら倉庫に備蓄しておくべき機材・資材・器材、あるいは、当面の飲料水・医薬品・食糧・衣料の数量を想定し、その一覧表を、本要請書の末尾に添付した。
(17)その備蓄倉庫に備えておく各種品目の提示と、その費用の試算表の提示について