教育部会作成要請書第38本目、政府宛提出要請書120本目、平成17年1月7日提出
中学校歴史教科書の検定にあたり、
記述内容を正していただきたき要請

【要請の趣旨】

 中学校の教科書は4年ごとに検定官による検定があり、来春に向けて、いま、その検定が行われているところです。その中で、歴史教科書、特に、近代史の部分については、御承知のように、以前から、その記述内容が偏向していて、いわゆる自虐史観となっており、子どもたちに悪い影響を与えているとして、問題になっております。
 これには、「新しい歴史教科書をつくる会」による『新しい歴史教科書』はじめ、当団体でも、その教育部会がまとめた『歴史教科書のここがおかしい』(善本社)を、平成12年5月に上梓して、世論に訴えたこともあり、近代史の歴史教科書もある程度あらたまりましたが、まだまだ、記述内容におかしな箇所がありますので、当団体の教育部会が、平成16年初頭から、改めて8社の歴史教科書の内容を洗いなおしました。
 その結果、一つは、まだまだ変更した箇所が沢山ありますので、その箇所を具体的に指摘し、そこを、どう直せばよいか を、本要請書の中に明示しました。
 いま一つ、今回、当団体教育部会が、特に取り上げましたのは、歴史教科書の記述の仕方そのものについてであります。
 と申しますのは、約15年前、当団体教育部会の有志が、子どもたちに、教科の中で何が嫌いか、というアンケートを採ってみたところ、子どもたちは、歴史だ、と答えました。これは、私どもにとって誠に意外なことでありました。そして、子どもたちに、重ねて、どういう理由で、歴史が嫌いなのか、質問してみたところ、その答えは、歴史的事件を西暦年号で暗記する暗記物だから、ということでした。確かに、関が原の合戦は1600年、ときりがよいので覚えやすいですが、そうでないのは、子どもたちは、西暦年号の数字をゴロ合わせのようにして、覚える努力をしておりました。
 こうした暗記物では、ほんとの歴史教育といえるでしょうか。私どもは、この点に大きな疑問を持ったわけです。そこで、今回、近代史について、事件の経過を洗ってみた次第です。
 というのは、歴史は、単に事件と年号の関係ではなく、真の歴史を知って教訓とするには、その各歴史事象・事件が、なぜ発現したのかという時代的背景、その事件が起こる切っ掛け・発端、次いでその事件の辿る経過、その処理のあり方、そし て、その事件が、その後、社会・時代にどういう影響を与えたか、といういわば「流れ」として教えなければ、人生教訓・社会貢献にもならない、と考えたからです。
 そこで、今回、ここに提案する近代史に関する記述は、すべて、そうした事件についての時代背景―発端―経過―処理方法―後世への影響、といった一つの流れ、として記述してみました。そうすると、さらに、現在の歴史教科書の記述内容のおかしさが浮き彫りになってきます。
 今回の近代史に関する要請書は、そうした視点に立ったものでありますので、国・文部科学省・検定間は、我が国青少年の健全化のため、ぜひご参考にしていただきたく存じます。

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