科学技術部会作成要請書30本目、政府宛提出要請書117本目、平成16年1月13日提出 |
諸外国に比べ極度に遅れている海底資源探査専用船を 早急に建造・整備いただきたき要請 |
【要請の趣旨】
わが国の領土は、世界第61位の面積に過ぎませんが、排他的経済水域(EEZ)面積では、世界第6位にランクされております。
現在、世界各国は、陸上の資源はもちろんのこと、大陸棚など、海底に埋蔵されている石油・天然ガス・メタンハイドレート・コバルトリッチクラスト等々の資源を、探査・開発して、自国のエネルギー資源や鉱物資源を確保しようと、しのぎを削っているのが実情です。
すでに、アメリカをはじめとして世界には、新鋭の海底資源探査専用船が、170隻も就航し、東北アジアだけ見ても、中国が11隻、韓国も兼用船2隻に加え、最近、最新鋭の海底探査船を2隻購入し、両国はいずれも国家レベルで、海底の物理探査に、全力を挙げて取り組んでおります。
これに対し、わが日本国は、上述したように、世界第6位という広大なEEZを有しながら、わずか1本のストリーマーケーブルを登載した船を所有しているのみで、必ずしも十分な調査がなされているとは言えない状況であります。さらに、石油、天然ガスの発見確立については、諸外国では8本〜30本ものストリーマーケーブルを備えて海面上数キロメートル四方の範囲の三次元調査をしていることから、深度数キロメートルとされる海底石油や天然ガスの貯留層(リザーバー)の発見確立が高いとされているのに対し、わが国の海底資源探査船は、ストリーマーケーブルが僅か一本であるため、粗い範囲の探査しかできず、そうした貯留層を見逃してしまいがちだという、欠陥・不利な状況にあります。また、その他の装備も、他国の装備に比べて旧式であります。
国は、そうした実態を直視し、わが国の排他的経済水域(EEZ)に潜在する貴重な海底資源を探査・開発するため、国家政策として、早急に、諸外国の海底探査船に匹敵するような最新鋭の海底資源探査船を、建造・整備していただきたく、ここに要請する次第であります。