教育部会作成要請書第35本目、政府宛提出要請書112本目、平成16年1月13日提出
新たな教育基本法の制定を求める再度の要請

【要請の趣旨】

当「(財)協和協会」と「時代を刷新する会」とは、教育改革国民会議が平成12年12月に最終報告をまとめられるのと情報を受け、当両団体では、『新たな教育基本法の制定により、教育再興を求める要請』書を起案作成し、平成12年10月16日、総理官邸に当時の森喜朗総理をお訪ねし、その内容をご説明の上お手渡しし、また、同年11月6日、教育改革国民会議事務局を訪問し、右要請書を責任者の中曽根弘文参議院議員・内閣総理大臣補佐官にご説明の上、お手渡しをしました。
 今回、開催された教育基本法改正へ向けた中央教育審議会の総会(平成14年11月14日)において、その中間報告がまとまり、同日、遠山敦子文部科学大臣に提出されましたが、その内容を拝見いたしますと、前記平成12年10月16日に、当両団体が政府へ提出した要請書にて、お願いに出た内容がある程度 ――例えば、国を愛する心、伝統・文化の尊重、家庭教育の重視など――取り上げられており、その点は、邦家のため感謝しておりますが、当団体では、今回の中教審中間報告では、まだまだ十分とはいえないと考えますので、以下に、当団体の要望する改正点を掲げ、改めて、文部科学省、中央教育審議会、教育改革国民会議等、関係機関に、本要請書を提出し、ぜひ教育基本法改正へのご参考にしていただきたい、と切望する次第であります。
 詳細は、以下の「要請の理由――教育基本法の改正箇所と改正の理由――」を見ていただきますが、いま、この「要請の趣旨」では、その項目だけを掲げさせていただきますと、

A、基本的・理念的事項
 一、わが国の歴史・伝統・文化を継承し、発展させることは、教育の最大の使命であることを明記する。
 二、新しくつくる教育基本法では、民主主義はもちろんとして、さらに、「福祉国家」の理念が、これからの教育の果すべき重要な役割であることを認識し、新たに条項を設ける。
 三、右の基本的理念・方向性を、各条文にも、積極的表現で示す必要がある。
 四、国および地方公共団体が、国民の付託を受けて行使する「教育に関する行政権」の責任を明確にする。
 五、新しくつくるべき教育基本法の審議に当たっては、わが国の将来を担う青少年の立場を踏まえ、審議に聖域を設けず、あらゆる視点から検討すること。
 六、現行教育基本法が一度も改正されないまますでに半世紀以上を経過していることから、改正は、部分改正ではなく、全面改正とすること。
B、現行教育基本法において、改正すべき諸点(その具体的な内容は、後記「要請の理由」)
 一、前文
 二、教育の基本理念に関する箇所
 三、教育の基本原則に関する箇所
 四、教育を担うべき主体について
 五、教育行政に関する国・地方公共団体の責務と役割について
C、新たな時代に対応する事項
 一、環境問題など、21世紀が直面している危機について、国内的な取り組みとともに、国際的協力の重要性などを、採り入れていただきたい。
 二、国や地域社会への奉仕活動を明記する。
 三、教育における二元的行政として問題になっている教育委員会精度について、廃止するか、構造改革して存続するか、の方針を明らかにする。

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