交通部会作成要請書第6本目、政府宛提出要請書110本目、平成16年1月13日提出 |
自転車事故による交通事故死傷者激増の折から、 TSマーク制度の充実・徹底をはじめ、 具体的対策を講じていただきたき要請 |
【要請の趣旨】
近年、自転車がらみの交通事故が激増しており、毎年、約1000人の死者と、17万人もの負傷者を出しております。それにもかかわらず、世間は、交通事故に対しては感覚が麻痒してしまっているせいか、あまり問題にもされません。これは、悲しいことです。
いわゆるシンクタンクとしての当団体では、さまざまな国家的課題と取り組んでおりますが、年間一万人前後の死者、百万人にも及ぶ交通事故死傷者の出現に、これも大きな国家的課題として、十数年前から、当団体の内部に、交通教育委員会と交通科学委員会を設置し、交通事故防止対策を研究・検討し、これまでに、十数本の政府宛要請書を起案作成し、政府へ提出してきました。
近年は特に、自転車がらみの交通事故の激増を憂え、後述するように、自転車に関しての交通事故対策だけでも、すでに、三本の要請書を、政府・警察庁に提出してまいりました。ここに提出する要請書は、自転車に関する第四本目の要請書となりますが、今回は、特にTSマーク制度に関し、その充実・徹底を要請するものであります。
以下、詳細は、後記の「要請の理由」をお読みいただきますが、いま、その要旨を列記いたしますと、まず、TSマークは、極めて意義ある制度であるにもかかわらず、現場において、意外とこの制度が活用されておらず、自転車保有台数8500万台のうち、例えば、平成十二年度の統計数字を見ても、僅か約110万台と、全体の約1、3%に留まっております。
そこで、当委員会では、TSマークの普及率がなぜ伸びないのか、自転車整備店なども回り、研究してみた結果、以下の「要請の理由」に記すような事実が分かりましたので、その実情を列記するとともに、また、こうした趨勢を是正し、TSマークの普及率をいかにして高めるか、その具体策も考えてみましたので、御参考にしていただき、自転車がらみの事故防止のため、国が早急な対策を講じていただきたく、ここに、要請書を提出する次第であります。