科学技術部会作成要請書29号、政府宛提出要請書109本目、平成16年1月13日提出
魚油・魚廃油のディーゼルエンジン用
燃料化技術開発とその実施についての要請

【要請の趣旨】

四囲を海に囲まれ、魚介類を好むわが国では、年間の漁獲量と海外からの水産物輸入量は、1000万トンにも達し、それに伴う魚油の発生量は約50万トンと推定される。これらの魚油の内、上質魚油は食用や工業原料としてリサイクルされているが、特に低質魚廃油は、重油と混合して大量に焼却処分されているので、大気汚染・環境汚染となっている。また、天ぷら用の植物廃油も彪大な量が堆積し、これらは、ロンドン条約によって海洋投棄も禁止されているため、いま、わが国は、その対策に迫られている。
ここに提出する要請書は、これらの魚廃油・植物廃油について、オゾン処理による新技術(開発済)によって、これらの廃油を、ディーゼルエンジンの燃料に再生することにより、現在、杜会的問題になっている軽油燃料によるディーゼルエンジンの黒煙、PM,CO,SOx等々の有害物質を、除去ないし削減するという、まさに、一石数鳥の方策を、提案するものである。
 詳細は以下の「要請の理由」を見ていただきたいが、いま、その要旨を挙げると、

1、魚廃油を燃料として活用することは、世界でも試みられてきたが、これまでは実現できなかった。しかし、今回、オゾンを活用することで、魚廃油をディーゼル燃料化することに成功した。
2、魚油は、基本的に脂肪であり、本来難燃性の物質であるが、オゾン処理により、燃焼しやすい物質である炭化水素類(アルカン類)を大量に生成することが出来るので、本技術で精製された燃料は優れた燃焼特性を持ち、軽油燃焼時に発生する黒煙、PM,COなどの汚染物排出を軽減できる。また、軽油には含まれる硫黄分も含まれていないので、SOxも排出しない。
3、本技術では、燃料化工程で有害な化学薬品等を一切使用せず、かつ二次的廃棄物を発生しない。
4、本技術により製造された燃料は、エンジンを何ら改良することなく燃料として使えるので、販売、普及に問題がない。
5、本要請では、主として、魚廃油を対象として採り上げるが、本技術は、魚廃油に限らず、植物廃油等にも適用することができ、またさらに、今後、その他の食品廃棄物のリサイクルを推進するのにも資するものである。
6、上質植物廃油については、すでに燃料化の技術が開発されているが、その技術による燃料は、軽油を80%〜90%混合して用いられているのが現状である。この点、本技術により精製された燃料は、軽油を混合することなく、100%で使用できる利点もある。
 以上のように、本技術は、これまで困難とされた魚廃油のディーゼル燃料化に成功したものであり、化石燃料の代替エネルギー、生物資源の有効利用、地球環境の浄化保全等々、数々の利点もあるので、国は、これの活用・普及に尽力して下さるよう、ここに、要請する。

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