科学技術部会作成要請書第22本目、政府宛提出要請書95本目、公式には未提出
欧米先進国に遅れぬよう『コージェネレーション』の普及を促進していただきたき要請

【要請の趣旨】

ニ酸化炭素の削減を目標とする地球温暖化防止京都国際会議(1997年12月)は、日本が主催国となって決議しただけに、「二酸化炭素削減」の国際公約は、まず日本が率先垂範すべき立場にあるといえる。  その後、資源エネルギー庁はじめ日本の省庁もいろいろと努力してはいるか、まだそれほどの成果が上がっていないのが実情である。そこで、当団体では、二酸化炭素の排出源の抑制もさることながら、アメリカやドイツが急速に技術開発を行っているコージェネレーション方式について、わが国も、国が主導して早急かつ積極的に、その技術開発に取り組むよう、ここに、要請する次第である。
 なお、因に、Co−generation(以下片仮名でコージェネと表記する)とは、日本語で熱併給発電と訳されているが、ここでは、発電により得られる電気と発電時発生する熱を併用して、エネルギーを高効率に利用するシステムである、と定義しておく。
 すなわち、二酸化炭素の削減は、消費エネルギーを削減する(省エネする)努力も大切だが、さらに積極的に、いま外部へ無駄に放出しているエネルギーを再活用すること、つまり、エネルギーの変換効率を高めることも、見逃せない有効な対策である。例えば、化石燃料を焚いて電力を産み出している火力発電所などで、その化石燃料エヘ不ルギーから電カエネルギーヘの変換効率が40%にすぎず、あとの熱量は大気中や水中へ放出している場合に、この高熱の放出エネルギーを再利用して、その変換効率を80%にまで高めれば、それは、燃料の消費量を、半分に削減できたのと同じ成果を挙げたことになるからである。
 当団体が、いま、国に早急に進めていただきたいと切望するコージェネ政策の要点を挙げれば、以下のとおりである。
1、前提としての、わが国エネルギー消費と二酸化炭素排出量の予測と削減計画
2、まず最初に、政府へお願いしたいのは、要請の趣旨に述べたように、電力会社の大型発電設備の効率は、現在、その35〜40%であるのに対し、この分野にコージェネを積極的に取り入れることにより、実効的に80%の効率を確保できると考えられるので、国はこの分野のコージェネの推進に力を入れていただきたい。
3、地域開発、集合住宅の建設などでは、建設の計画を立てるに当たっては、地域開発拠点事業等で、一定以上の化石燃料をエネルギー源として使用する企画かある時は、天然ガスを利用したコージェネ設備を設置するよう義務づけること。
4、余剰電力を生じたときは、電力会社は、アメリカのパーパー(PURLIC UTILIITY REGULATORY POLICIES ACTの頭文字)法に準じて買い取ることを義務づけること。 5、電力会社は、これらのコージェネ発電と、配電網との並列運転の条件である発電機の規模、その他の制約を撤廃すること。
6、予備電力契約を廃止し、保守期間中等は電力会社は通常料金で給電すること。
7、小電力の電気事業所の建設、売電を促進すること。

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