安全保障部会作成要請書23本目、政府宛要請書通算90本目、平成11年6月8日提出 |
『日米防衛協力のための指針』(ガイドライン)の 実効性確保についての提言 |
【要請の趣旨】
今日の国際軍事情勢は、国際社会の安定化への様々な取り組みがなされる一方で、地域紛争や大量破壊兵器とその運搬手段(特にミサイル)の拡散・移転の問題など依然として不透明・不確実な要素が存在しております。
このような傾向は、最近のインド・パキスタンの核実験やインドネシア情勢の混乱、さらに北朝鮮によるミサイル開発・輸出の継続、わが国の領域を超えてのミサイル発射、新たな核開発疑惑などに見られるとおり、アジア・太平洋地域においても同様であり、この傾向は、今後も続くものと予想されます。
このような中で、21世紀にわたりわが国の平和と安定と繁栄を維持していくためには、平常時における危機の予防、情勢緊迫時における危機の回避・拡大防止など、を中心とした危機管理型の安全保障・防衛政策の強化と日米安全保障体制の一層の充実強化が、必要不可欠と考えます。
『日米安全保障共同宣言』と新しい『日米防衛協力のための指針』(以下新ガイドラインと略称する)は、まさにそのための重要な第一歩であり、このように重要な意義を有する新ガイドラインの実効性を確保することが、今後の大きな課題であります。
新ガイドラインの実効性を確保するための最も重要な点は、
1、『国内法制』および『米国との取決め』の整備
2、計画体系の確立と『各種実行計画』の整備
3、危機等発生に際しての迅速な実行を確保するための『準備に関する共通の基準』および『共通の実施要領』の確立
4、平素からの『調整メカニズム』の確立
にあり、それぞれの整備・確立を早急に推進されるよう、要請するものであります。