科学技術部会作成要請書19本目、政府宛提出要請書88本目、公式には未提出 |
高速増殖炉開発体勢の強化充実政策を早急に推進していただきたき要請 |
【要請の趣旨】
炭酸ガス蓄積に基づく温暖化問題を抱える地球環境と、発展途上国の増大するエネルギー需要問題を抱える現在の人類の生活環境との調和の鍵は、高速増殖炉による原子力発電である。最近、環境庁は、原子力の開発利用を国の基本方針として取り入れる方針を打ち出したが、日本が当面の原子力開発で問題にしているプルサーマル計画では、21世紀を通じてのエネルギー問題解決には不十分である。即ち、高速増殖炉に比べ、ウラン燃料の有効利用には程遠く、また、使用済み燃料リサイクル問題以外、高速増殖炉の諸問題解決にも程遠いものがあり、更に、これまで蓄積されて来た世界をリードする増殖炉技術のノウハウも失われてしまう。もともと、原型炉「文殊」での事故に対する対応の不味さから、継続実験中止に追い込まれ、それまでの原子力長期計画のうち、既に諸外国に遅れをとってしまっている上述のプルサーマル計画だけを推進しようとしているのであるが、基礎実験に付随し勝ちな失敗に周辺が寛容性を持たなければ、新技術開発は不可能である。「文殊」の開発は、日本の優れた技術的成果の結集に基づくもので、地球人類のエネルギー問題解決のための最も具体性ある技術であることを認識し、国のエネルギー政策の基本路線として、位置づける必要がある。「文殊」の改良復元はもとより、不必要な核アレルギー反応を示すマスコミや地元との討論会の計画開催、後継者の育成等、人類の福祉の為に、強力な政策を早急に企画実施して頂きたい。