科学技術部会作成要請書15本目、政府宛提出要請書73本目、平成7年6月26日提出 |
『海上流出油防除技術研究所』(仮称)を国の機関として設置していただきたき要請 |
【要請の趣旨】
「環境管理」という表現が取り上げられてから20数年になるが、殆どの企業では公害防止から環境管理への転換がすでに定着しており、「環境基本法」の公布により、環境管理について、官公庁・企業および全国民の認識が一層深まってゆく事が期待される。
「環境監査」という言葉が、1980年代の終わり頃から目につくようになったが、企業などの組織体の環境管理が、法規制および組織内部の方針や基準に適合しているかどうかを総合的に判断するプロセスであり、経営管理の構成要素の中でも、そのウエイトは益々大きくなりつつある。
英国・フランス・米国・カナダなどの各国や欧州連合などでは、いずれも政府規制として環境監査の法制化が進み、国際標準化機構(ISO)も品質管理の国際基準の制定に引き続いて、環境監査基準制定を推進し、着々とその成案をまとめつつある。
わが国でも、関係省庁・外郭団体・主要企業等が、個別的に環境監査基準を採り上げて検討を始め、また、先進企業ではそれぞれ自社の基準での社内監査はすでに定着している。
世界の動向はさらに、財務監査における公認会計士に匹敵する、環境監査に関する特定の技術と資格を有する第三者による認証制度を設けることも進めている。
環境問題は、製造業・建設業などはもちろん、農林水産業・第三次産業や研究施設・公共施設にも共通する普遍的なテーマであるので、政府は一体として広範な立場に立って、世界の動向に遅れることなく、「環境監査」の問題に統一的な早期の方向付けをお願い致したく、ここに要請する。