科学技術部会作成要請書10本目、政府宛提出要請書60本目、平成5年11月26日提出
予想される大震災に対して、被害を最小限に抑えるための施策についての要請

【要請の趣旨】

関東大震災から70年、「天災は忘れたころにやってくる」の譬えもあり、また最近、迫り来る南関東地域直下型地震への地震学者の警告も出ていて、その対策が急がれます。特に、1989年10月のサンフランシスコ大地震など海外の都市部の被害や、平成5年1月に発生した釧路沖地震の被害を見るとき、関東大震災当時とは異なった対策が必要です。私どもは、内部に大震災対策分科会を設けて検討してきた結果、次の諸点につき政府へ提言いたします。
 項目を挙げますと、
一、関東大震災当時とは異なる大都市災害への的確な対策の必要性
二、避難場所・方法の周知徹底と予行演習、そして飲料水・食糧などの確保対策
 (1) 避難場所の周知徹底と予行演習
 (2) 震災の初期対策と避難経路・方法についての予行演習
 (3) 各避難場所へ飲料用水タンク、簡易食糧貯蔵所などの設置義務付け
 (4) エンジン付可搬式浄水装置の分散配置、旧江戸上水路の再活用など
三、高層建造物、高架道路網の再点検、ならびにネオン塔、看板など落下危険物の再点検
四、ヘリコプターの整備・活用、大型建設機械の借り上げ
 (1) 飲料水・食糧などの補給にヘリコプターの活用を
 (2) 被害状況の早期把握と消火活動にヘリコプターの活用を
 (3) 人命救助・障害物除去に建設重機の確保が不可欠
 (4) 負傷者の運搬、高層ビルからの救出などにヘリコプターの活用を
 (5) ヘリコプターや建設重機のプールと役割分担の徹底
五、シャドウ・キャピタルの建設、ならびにハイテク衛星都市の建設を!
六、大震災後の復興計画のマスタープラン(青写真)の用意を!
七、災害緊急事態に対処するべく法制度の整備を!
 国におかれては、当団体のこの研究を参考に、早急なる御検討・御対策を賜りたく、お願い申し上げます。

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