科学技術部会作成要請書8本目、政府宛提出要請書56本目、平成5年2月提出 |
酸素欠乏マグネタイトを触媒とし排気ガス中の炭酸ガスを燃料化して、省エネとともに地球の環境保全を図る新技術を推進頂きたき要請 |
【要請の趣旨】
現在、火力発電所などから発生する高温煙道排気ガス中の炭酸ガスの処理に関しては、吸収法や吸着法などによる方法が使用されていますが、技術的に充分確立されたものではない上に、処理に必要なエネルギーは、炭酸ガスを発生する恐れのある別の方法で、別途、調達しなければならない、という矛盾を抱えております。
ここに提案する新技術は、我が国で最近開発されたもので、容易に入手できる酸素欠陥マグネタイトを触媒として利用することにより、排気ガスが持っている熱をエネルギー源とし、この中に含まれている炭酸ガスの発生を大幅に抑制するとともに、資源化し得るものであります。
この新技術の早急な開発と実用化を図ることは、省エネルギーばかりではなく、地球環境に対しても大きな成果が期待されます。
すでに、基礎研究が進められておりますが、この新技術を実用化していくためには、大規模な実証試験が必要でありますので、これに必要な実用化テストプラントの建設につき、ここに要請申し上げる次第であります。