科学技術部会作成要請書4本目、政府宛提出要請書45本目、平成2年12月提出
『電磁環境総合研究機構』を設立して頂きたき要請

【要請の趣旨】

わが国の科学技術の発展は目ざましく、特に電気機器の発達は世界の最先端を行き、日本に繁栄をもたらしている。しかしながら、各種の科学技術プロジェクトや科学技術生産物は、ほとんど電気エネルギーによって作動するものであり、こうした機器からは常に電波が放出され、電磁場──電磁環境が形成されるので、そこから地球や人類にとって恐るべき問題が生じている。
 すなわち、電磁エネルギーは、科学文明前は、物理的自然界からの電磁エネルギーと人間をはじめとする生物の発する電磁エネルギーで調和が取れていたが、各種の電気機器の氾濫により、それらの電気機器の発する電波(電磁エネルギー)が乱れ飛び、これが、地球環境をはじめ、人間や生物などの生体、あるいは機器相互間に、多大の影響を及ぼしていることが実証され、あるいは予測されている。
 そこで、私どもは、地球や生物に取返しのつかない弊害が生ずる前に、日本が、技術先進国の責務として、こうした電磁障害の地球環境へ及ぼす影響、人間はじめ生体に及ぼす影響、電気機器相互間への影響など、その実情を調査し、その障害を除去する研究を行なうべく、国が早急に「電磁環境総合研究機構」を設置していただきたく、ここに要請する次第である。

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