科学技術部会作成要請書3本目、政府宛提出要請書43本目、平成2年12月提出
酸性雨・霧から森林を守る措置を講じていただきたき要請

【要請の趣旨】

近年、石炭・石油を燃料とする火力発電の排気等による酸性雨および酸性霧の被害が、国境を越えて森林・緑地を枯死させる国際的公害が問題となってきました。わが国でも、その被害が発生し、かつ、増大しつつあることが報告されております。酸性雨・霧の原因の最大なるものは、火力発電所から発生する排ガス中の亜硫酸ガスであります。これが気象条件によってわが国にも飛来し、酸性雨・霧となって降るわけであります。
 近隣諸国の内、中国は火力発電を今後5ヶ年の間に、現在の4倍にすることを決定しました。 これに伴い中国から飛来する亜硫酸ガスも増加し、森林・緑地への被害も急激に増大する恐れがあり、極めて懸念すべき状況であります。
 本要請は、この酸性雨・霧の被害を未然に防止する為、中国の石炭火力発電所の排ガスを処理する排煙脱硫・肥料生産施設を中国に経済援助し、以て大気中に放出されている排ガス中の亜硫酸ガスを無くし、酸性雨・霧から地球環境の緑の保全に役立たせると同時に、わが国の森林・緑地を守るべき御措置を願うものであります。

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