教育部会作成要請書第18本目、政府宛提出要請書32本目、昭和63年4月提出 |
教育荒廃を根本から是正するため教育基本法を改正して頂きたき要請 |
【要請の趣旨】
現行教育基本法は、敗戦後間もない軍事占頷下という異常事態の下で、当時、日本弱体化政策の意図を持つ占領軍の指導によって策定されたものであり、もはや精神面において独立国の教育基本法としてふさわしくないばかりか、また、その規定も、制定後四十数年を経て、不適当・不充分な個所が目立ってきております。
また、久しく教育の荒廃が叫ばれながら、なかなか是正の徴候もみられないことから、いまや良識ある国民は、教育改革も、単に制度・機構いじりでは駄目で、まず教育のバックボーンたる教育基本法を改正しなければ、真の改革にはつながらない、ことを鋭く感じとってきつつあります。(物事はすべからく、基本をただしてこそ、真の解決が得られます)
いま、教育基本法改正の主な理由をいくつか挙げますと、
(1)現行教育基本法は、個人の尊重を強調するのあまり、家族、友人、社会、国家への思いやり、信義、協調、義務観を説くことが薄く、ために利己的・独善的な人間を輩出している。
(2)いずれの国も、自国の歴史・文化・伝統を重視し、自分の国に誇りを持つよう教育の目的を設定しているのに、現行教育基本法は、占頷下に作られただけに、そうした認識がなく、そこから、自国の歴史・文化・伝統を蔑視または否定する、誇りの無い国良性を生み出して来ている。
(3)現行教育基本法は、教育の機会均等につき形式的な平等に偏っている。個人の能力・適性はそれぞれ異なり、それぞれに応じた教育をすることが真の教育である。現在の形式的平等教育を改めて実質的教育へと切り換えるため、個人の能力・適性・責任に応じた教育を行うことを明記すべきである。