令和4年9月21日(水)

70歳以上の健康維持は、いかにあるべきか! 続2回目

大内尉義先生

大内尉義先生

東京大学病院元副院長、虎の門病院前院長、
専門「老年内科・循環器内科」



概要

健康寿命を延ばすためには、治すだけでなく、生活機能を維持することにより、治し・支える医療に転換すること、フレイル・ロコモティブシンドローム(運動機能障害)・認知症対策に国を挙げて取り組むこと、ポリファーマシー(薬の飲みすぎ)対策に取り組むことが必要になる。フレイル(虚弱)には、筋力や口の中などの身体機能の低下だけではなく、社会活動に参加する機会が減ることによる精神フレイルや孤独や貧困を原因とする社会フレイルもあり、新型コロナの流行はフレイルの増加も招いている。政産官学が連携し、フレイルやロコモは予防でき、改善できるものだということを広めていきたい。そして、80歳を超えても気軽に外出できるような社会を作りたい。予防するには、まず食生活の改善が必要だ。たんぱく質の摂取は、動物性だけでなく、植物性でもよい。ビタミンDも重要だ。魚類に多く含まれるが、日光浴でも生成できる。膝の曲げ伸ばしなどの簡単な有酸素運動も、最近は推奨されている。認知症の予防も、やはり食生活の改善がよい。
 薬の飲みすぎ問題については、6種類以上服用すると、ふらつき・転倒などの有害事象が発現する割合が急増していることがデータで明らかになっている。薬害だけではなく、服用法の誤り、医師の指示に従った服用をしていないなどがあるが、不眠やしびれなどの症状を抑えるために神経に作用する薬を過度に処方しているのも原因である。


ご案内状(pdf)

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