令和4年6月28日(水)

70歳以上の健康維持は、いかにあるべきか!

大内尉義先生

大内尉義先生

東京大学病院元副院長、虎の門病院前院長、専門「老年内科・循環器内科」



概要

老年内科という概念を1950年代から時代を先取りして提唱していたのが、私の恩師であり、虎の門病院2代目院長の冲中重雄先生である。50年代の日本の平均寿命は先進国でも低い部類だったが、いまや日本の平均寿命は世界一である。65歳ではもはや高齢者と呼ぶのは適切ではない。重要なのは、健康寿命をいかに伸ばし、平均寿命と健康寿命との差を小さくするかである。認知症や寝たきりになることを予防するためには、普段の生活習慣がカギになる。認知症を予防するには、まず食生活を改善し、動脈硬化を予防すること。動脈硬化は喫煙、高血圧、運動不足、肥満といった危険因子がいくつも重なり合って、リスクが増す。魚食中心の和食は認知症予防に最適だと考える。次に適度な運動。コロナ禍でどうしても家に閉じこもってしまいがちだが、週3回の有酸素運動が有効だ。対人関係を保つ、社会的活動に参加する、知的な趣味を持って脳を活性化するのも重要だ。 骨粗鬆症や筋力の衰えといったフレイル(虚弱の意味。大内先生が会長を務めていた日本老年学会が提唱した)を予防するにも、生活習慣の改善が必要になる。骨量が若者の7割になると危険信号だが、カルシウムの低下、ビタミンD・Kの不足、リンやカフェインやリンの過多、運動不足などの危険因子がある。

ご案内状(pdf)

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