平成30年10月24日(水)

認知症になる仕組みとその対策について!

河村弘庸先生

河村弘庸先生

医学博士、脳神経外科医、
元東京女子医科大学・脳神経外科教授



概要

まず人間の脳の解剖図をスクリーン上に示され、前頭葉、頭頂葉、側頭葉、後頭葉、小脳等々を図示され、それぞれの機能・働きについて説明された。その上で、河村先生は、脳の神経細胞は140億個あるが、毎日10万個ずつ死んでいる。その結果、80歳の人の脳細胞は、20歳の人の脳の80%しかない。しかし悲観する必要はない。けだし、神経細胞同士のネットワークが発達し、減少した分の働きを十分補えるからだ。脳の記憶について、1秒ほどの視覚記憶があるから動画が動いているように見える。4秒ほどの聴覚記憶があるから、音楽の旋律を感じとれる。短期記憶は20秒〜1分程度だが、10桁の電話番号を一時的に記憶できる。長期記憶は数カ月つづく記憶である。手続記憶とは自転車やピアノやスキーなどの感覚で、一度習得すると一生行える。美化する情緒記憶もある。 ボケと認知症は違う。ボケの人は、ヒントを与えると記憶がよみがえるが、認知症は思い出せない。 「認知症」とは、大脳半球の連合野全体の障害である。5つある連合野のすべてに障害が現れる。アルツハイマー型と非アルツハイマー型に分かれる。前者は、罹っても10年位はほとんど症状がでない。70〜80歳になって症状が出なければ心配ない。後者には、脳梗塞など脳血管性認知症、そして排徊や妄想が激しくなるルビー小体型認知症、公衆の面前で卑猥な発言をする前頭側頭葉型認知症がある。 (清原記)
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