| 平成３０年２月２６日（月） |
韓国の北朝鮮への対応、 |
武藤正敏先生
外交経済評論家、元駐韓国大使
概要
米朝とも、本音は軍事衝突を避けたい。米は制裁強化で核放棄を目指し、北朝鮮は核保有を認めさせた上で対話と、全くかみ合っていない。軍事衝突があるとすれば、制裁に効果がないと分かったときか、金正恩が生き延びる術がなくなった時だ。北朝鮮が平昌オリンピックに代表団を派遣するなどほほえみ外交を行っているが、裏では核開発を急いでいるとみられる。中国も協力しているので、制裁はかなり効いていると見てよい。米韓合同軍事演習をやるかどうかがカギである。今北朝鮮の最大の友好国はロシアで、アメリカを北朝鮮にくぎ付けにしているうちに中東での影響力を強化する意図がある。来年には核が完成する見込みで、日本は防衛力の強化を急がねばならない。敵基地攻撃能力を持ち、イージスアショアも必要だ。テロ対策も急務で、生物兵器や原発への攻撃には特に注意しなければならない。北朝鮮が崩壊した場合、在韓邦人の避難も米軍と協力して行う必要がある。海からくる難民への対処もある。北朝鮮包囲網には日米韓の連携が不可欠だが、日韓関係は大統領の意向に左右されることが多い。日韓合意にもかかわらず慰安婦問題が蒸し返され、日本は強い不信感を抱いているが、感情的な反論は逆効果である。(清原記)
●ご案内状(pdf)
