平成29年4月20日(木)

都民ファーストという時限爆弾!

高橋利行

高橋 利行先生

政治評論家、
読売新聞元解説部長・論説委員・新聞監査委員長



概要

国政と違い、都道府県の行政は首長と議会の議員 を別々に選ぶ二元代表制である。首長は予算や条例 などの議案提出や人事権を持ち、議会は議案の議決 で首長の行政運営を監視する。解散は議会から首長 に不信任案が出された場合に対抗措置として行われ るもので、自律解散権はない。過去に都議会議長汚 職事件が起きたときは、法的に解散する方法がなく、 特例法で解散して選挙が行われた。
 都庁には記者クラブがあるが、主に都政について 取材をしており、議員に直接会うこともあまりない ので、東京都議にどんな人物がなっているのか、あ まりよく知られていないし、有権者は言わずもがな である。よって都議選の予想は難しいが、過去の事 例から紐解いていくと、都議選の結果はその後の国 政選挙に反映していることが分かる。例えば、昭和 40年の東京都議会議長選汚職の後の都議選では社 会党が第一党になり、そのあとの参議院選挙でも東 京で自民党議員は全滅した。平成21年の都議選で は民主党が第一党となり、その1か月後の衆議院選 挙で政権交代が起こった。小池都知事の次から次へ とステージを変える性質を考えると、この都議選で 圧勝して次は国政と考えているかもしれない。豊洲 市場問題については、環境基準を大幅に上回る有害 物質が出たとか、盛り土がないなどと言われている が、地下水で魚を取り扱うわけではないのだから、 結局移転先は豊洲しかない。小池都知事は都議選の 争点にしたくないだろうから、近く決断するだろう。
ご案内状(pdf)

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