平成29年2月17日(金) |
日本人に合う健康長寿の食生活とは? |
奥田昌子先生
医学博士、内科医、大手化学メーカーの産業医ほか
概要
(1)骨を強くするため牛乳や乳製品を摂ると良い。(2)認知症の予防には、血管を強くするため肉を食べると良い。(3)糖尿病予防やダイエットには糖質制限が有効だ。以上の3つのうち正解はどれか?
実は、この3つとも不正解である。
人間の体質は、人種や生活環境によって異なる。アメリカは多民族国家なので、病気のときに、その人種ごとの異なる治療をしているほどだ。特に日本は島国であり、歴史的に独特の食生活をしてきたので、欧米で話題になっている健康法に飛びつくのはよくない。日本人に合った健康法を行うべきである。
冒頭の(1)については、牛乳によるカルシウム摂取は日本人にはあまり有効ではない。むしろ大豆製品などからカルシウムを摂った方がいい。冒頭(2)については、日本人はすでに十分に肉を食べているので、これ以上食べてもあまり意味はない。認知症の原因のひとつは動脈硬化なので、魚、とくに背中の青い魚(サバ、イワシ、アジ、サワラ)を週3回程度食べればいい。緑黄色野菜もいい。冒頭(3)については、糖質制限をすると、日本人の場合、インスリンが出過ぎてしまって逆効果である。脂肪の摂取をひかえ、1日に20分程度歩くなどの運動をするのが効果的だ。
●ご案内状(pdf)