平成28年2月24日(水)

これからの医療と健康!

渥美和彦先生

渥美和彦先生

医学博士、東大名誉教授、心臓外科手術の権威、
日本統合医療学会理事長



概要

東日本大震災から1ヵ月後の石巻を訪れ、電気が寸断されて医療機器が機能しない様子を見て、医療に対する考え方が変わった。未来の医療は、(1)文明の歴史に学ぶ、(2)限りある資源をどう活用するか、(3)科学技術の活用の3つの視点から考えていくべきだ。そして、治療から予防へとシフトしていくべきだ。災害時医療対策としては、例えば、大地震・大津波の発生に備えて、地域ごとの高台に防災センターを設ける。これは、東京近郊であれば、ゴルフ場などを活用する形でもよい。行政は、平時から地域住民に対し避難訓練を行うとともに、災害によってライフラインが寸断されても、避難住民を受け入れられるだけの医療器具や水、食料などを備蓄し、非常時に対応できるだけの医療関係者も確保しておく。平時は、地域予防ケアセンターとして、高齢者の医療情報を蓄積し、また、センサーを取り付けるなどして緊急事態が起きたらいつでも駆けつけられるようにしておけば、孤独死を防ぐこともできる。ロボットに頼り切るには、コストの面から見て時期尚早である。高齢者も、普段から運動を心がけるなど、衣食住を充実させ、病気を寄せ付けない心がけが、長寿の秘訣である。

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