平成26年7月28日(月) |
アベノミクスと中長期の成長 |
松山健士先生
内閣府事務次官
概要
当協会は、安倍総理の御祖父・岸信介総理によって創設された財団ということもありますが、日本を再生させるためには、なんとしても「アベノミクスを成功させることだ」と念願しておりますので、ここは、安倍総理の信任も厚く、「アベノミクス」を実現すべく各省庁をまとめておられる松山健士内閣府事務次官様に、去る七月二十八日、『アベノミクスと中長期の成長』と題し、御講話いただきました。当日資料として、実に詳細な資料も御用意下さいました。
その内容は、広範かつ多方面にわたる分析・解説なので、ここに、すべてを取り上げるわけにはいきませんが、まず順序として、「アベノミクス」のこれまでの諸成果を挙げ、次いで、それを踏まえた今後の課題・道筋・未来像を展開されました。
「アベノミクス」の諸成果では、〇実質GDP成長、〇消費者物価の推移、〇賃金引上率の上昇、〇完全失業率低下と新規求人倍率増加、等々のグラフ統計を示して説明された。また、今後の課題として、(1)消費税引上げに伴う駆け込み需要と反動減への対応、(2)好循環の拡大と成長戦略の強化、(3)未来像へ向けたシステム・制度改革の実施、(4)経済再生と財政健全化の好循環、の4つを挙げられ、さらに、女性就業者の増加、生活保護世帯の減少、長期失業者の減少などについて、統計グラフを示して、それらの構造的な動きを支援していくとされた。
さらに、未来への政策選択として、わが国の総人口の将来推計や出生率と出生数の推移予測をグラフ統計で示された上で、50年後の人口を1億人程度と想定し、◇創意工夫による経済発展、◇年齢・性別を問わない能力向上政策により人材の活躍に務める、◇地域の特色を生かして集約・活性化する地域戦略、◇伝統・文化・公共心を大切にした信頼社会の構築、等々を挙げ、さらに、「日本再興戦略」として、女性の活躍強化、働き方の改革、観光誘致政策、少額投資非課税制度の開始、1兆円規模の設備投資減税策をはじめ、農業、医療、科学技術、特にエネルギー分野について、それぞれ具体的な政策を説明・解説くださった。
それを拝聴し、松山健士先生は、東京大学経済学部を卒業して、経済企画庁へ入庁されてからも、経済社会システムの研究で知られた方だけに、一同聞きほれ、「アベノミクス」に安心感を持ちました。
(清原記)