平成24年6月21日(木) |
野田政権の行方!──政局と政策課題を解説する!── |
長野祐也先生
政治評論家、元衆議院議員、「政界キーパーソンに聞く」他著書多数
概要
日本の財政赤字が1000兆円を超えていて、国際社会で危険視されながら、許されたのは、先進諸外国の消費税が20%前後にもなるのに、日本だけはまだ5%なので、財政再建の余地があるとされ、そこで、民自公の三党合意で消費増税が本気であることを世界に示した点で、評価しうる。けだし、社会保障政策は本来、超党派で行うべきだからだ。
次に、小沢新党だが、小沢さんにはある程度の議員が従うだろうが、民主党の支持母体たる「連合」も3党合意を受け入れているし、また、橋下維新の会も、石原慎太郎の「立ちあがれ日本」も、「みんなの党」も、小沢新党に合流するとは思われず、したがって大きな流れにならない。大体、小沢さんは、竹下登総理の時は増税派であり、細川内閣では福祉目的税を提案した、新進党の時は消費増税反対、自由党時代は福祉税5%を主張し、現在は消費増税反対で、政策がブレている。つまり、小沢さんにとって消費増税は、政策より政権をとるための道具である。
野田総理は、小沢さんより、民自公の3党合意に賭けており、成功すれば後の世に感謝され名を残すことになる。なお、谷垣自民党総裁について批判もあるが、既に、鳩山、菅と2代にわたり交代させ、今回、自民党案を丸飲みさせた功績がある。等々貴重な分析に感銘しました。