平成24年1月16日(月) |
新春懇親会 ──日本再生への提言── |
新春挨拶
江口一雄会長代行
元衆議院議員・厚生労働委員長、
八千代松陰学園理事長
新年おめでとうの挨拶のあと、今年は壬辰年でいろいろ想定外のことが起こる年といわれる。世界を見ても、アメリカ、ロシア、中国などで国の指導者の選挙がある。国際経済や安全保障でも大きな動きがある可能性がある。また、国内を見ても、昨年の大震災・大津波・原発事故の後始末が、一年近くなろうというのにそれほど進まない。民主党はマニフェストで「コンクリートから人へ」と謳ったが、インフラが破壊された東日本各県では公共事業としてのインフラ整備が必要だ。野田総理はマニフェストに書いてない消費税増税を言う。マニフェストの誤りを国民に詫びるべきである。政治家は「信なくば立たず」でなければならない。解散して信を問うべきである。
私は、衆議院議員を引退したあと、千葉県で八千代松陰学園の理事長を務め、また、当団体の会長代行とともに教育部会長を兼任しているので、教育問題にふれたい。私はかねがね思うのは、戦後の世代は歴史を知らない。特に、明治以降の近代史を知らない。私は、自国の歴史を知らなければ、誇りを持てないと思う。作家・司馬遼太郎は日露戦争を主題に『坂の上の雲』を書いているが、あの戦争で、もし日本が負けていれば、日本はロシアの植民地になっていたでしょう。また昭和大恐慌をどうして乗り切ったか。大東亜戦争の敗戦からどのようにして建て直れたか。そうした先人の努力・教訓を知らなくては、明治維新、大敗戦に次ぐ第3の危機といわれる今の日本を救うことはできないと思う。皆さん、日本再建のために頑張りましょう。
年頭挨拶
半田晴久理事長
昨年もこの新年講話会に出席するつもりでいたところ、チャールズ皇太子の弟君で、デューク・オブ・ヨークの称号をお持ちになっているアンドルー王子のお招きでイギリスに行った。アンドルー王子は障害者ゴルフを主催しておられ、私も、以前から「盲人ゴルフ」を主催しており、「盲人を含む障害者ゴルフを、国体に、またパラリンピックに」という運動をしている。
なお、本日の主催団体では、多くの部会・委員会があって、そこで政府宛要請書をつくって時の政府へ提出し、その本数は134本に達しているとのことです。それはそれで意義あることですが、私自身は、昔からメディアの活用を考えています。例えば、ラジオ番組「さわやかTHIS WAY」の全国ネットでは22年間やってきました。しかし、最近では、東京MXテレビの夜8時半からの「世界のいま」とか、BS11テレビの「サクセス登竜門」など、30分番組のモデレーターをやっています。テレビだと、元総理とか著名な政治家も、喜んで出てくれます。私はこうしたテレビ番組を、この(財)協和協会を代表したつもりでやっているわけです。私は、当団体の理事長を10年やっていますが、あまりメリットがあるわけではない。論語に「これを行う者はこれを好む者に如かず。これを好む者はこれを楽しむ者に如かず。」という言葉があります。これは、事を行う場合、好きでやっている人には敵わない。さらに楽しんでやっている人には敵わないということですが、私は、それを超えた「義の心」があると考え、岸信介元総理がこれら団体を創立された精神も「義の心」であると思い、私はその精神に立ち、今後ともこの団体を支えてゆくつもりでおります。
司会進行
清原淳平専務理事
毎年のことながら、清原が議事進行を務めさせていただいた。想えば、岸信介先生が総理の時に、御面識を得たのが御縁で、昭和53年以降、岸信介元総理が創設された4団体の執行役員を命ぜられて、35年近くなる。今年も、こうして、岸信介先生の精神に則り、新春をお祝いできることは、感慨無量である。
乾杯の挨拶・音頭
坂梨靖彦氏
(戦略研究家として、論述・著書多数。元陸軍主計少尉・警察予備隊・保安隊を経て、航空自衛隊の空将補)〔最古参の会員ということで、お願いした。〕ま、92歳の先輩がお一人いらっしゃいますが、御指名ですので、音頭をとらせていただきます。では、当主催団体の一層の発展を祈り、かんぱーい!
諸先生からスピーチをいただきました(発言順)
医療福祉部会を代表して、
田中慶司部会長
(東京医科大学理事長、元厚生省健康局長)
24年度の予算案が纏まりましたが、実質、社会保障関係が22兆円で予算の半分を占めています。当医療福祉部会では、ここ2年くらい介護問題をやっていますが、この予算も7兆円で、防衛費よりはるかに大きな予算となっているので、多方面から見直す時期に来ている。これが今年の課題です。
政治経済部会を代表して、
植竹繁雄部会長
(元衆議院議員・外務副大臣)
「日本再生への道」とのテーマですが、今年は宇宙的な問題に遭遇していると考える。例えば、光より速い物体はないとのアインシュタインの相対性原理が、ニュートリノ理論により覆されようとしている。また、山中教授により万能皮膚が開発されつつある。日本人はこうした課題にも対応できる。当団体も一層努力いたしましょう。
環境技術委員会を代表して、
坂本忠彦委員長代理
(工学博士、元建設省土木研究所所長、ダム設計建設の権威)
私は建設省に30年以上在籍し、特にダム建設を専門としました。今年は6月に、京都で「国際大ダム会議」が開催され、私がその会長を務めます。東北地方には高さ15メートル以上の大ダムが400余りありますが、昨年の東北大震災で大きな損傷はなく、日本の技術が高く評価されている。国際会議ではその優秀性を紹介し、世界の大ダム造りに貢献したいと考える。
深山明敏氏
(安全保障部会、元陸上自衛隊師団長)
部会での最近の話題は尖閣問題、沖縄問題、武器使用、武器輸出三原則である。今回、自衛隊が南スーダンの治安維持のため派遣されたが、機材・資材を2000キロも運ばねばならず、いつ襲撃されるか分からない。国連は「任務遂行のために武器使用してよい」としているのに、日本だけ武器使用を禁じられていては、任務遂行もできない。国は、国連軍なみの武器使用を認めてもらいたい。
小林正男氏
(教育部会委員、介護施設理事長、元学校長・教育長)
教育部会では昨年から、教育制度が昭和22年から60年変わらないため、時代に合わなくなってきているとして、全般的な教育制度の見直しを検討している。また、私個人としては、「親や祖先を大事にしよう」という敬愛の心を育てたい。それはまた、家庭を大切にするということである。現憲法には、家族・家庭という記述がないので、ぜひ入れてほしい。
大日方鴻介氏
(書道家、日本春秋書院院長・現代日本書家協会副会長)
昨年、父・大日方鴻允が他界しまして、上記の両団体を継承しました。本日の主催団体には以前からいろいろ御協力いただいております。近年は毎年4月に、六本木にある国立新美術館で全国公募展を開催しており、今年も開催します。この全国公募展の開催には、御協力をいただいておりますので、本日ご出席の方々には、ぜひ、公募展を見に来ていただきたい。
増澤喜美夫氏
(教育部会委員、元小学校教諭・校長)
私が最初に赴任した白金小学校は、大仏次郎、木原均、小林秀雄の3人の文化勲章受章者を輩出している。その校歌がすばらしいので、歌います。
♪「白金小学校校歌」
宇田信一郎氏
(ロンドン大学LSE国際経済フォーラム会長、元BBC・NHK記者)
高校の後輩に福田康夫、橋本龍太郎、谷垣禎一がおり、交際している。ロンドン・スクール・オブ・エコノミスト大学で学んだが、卒業生には、首相になった者が50人、ノーベル受賞者が15人おり、私はそのフォーラムの会長をしている。そうした関係から、いまでもいろいろ国際活動をしている。政策の話なら任せてもらいたい。
神津康雄氏
(医師、元日本医師会常任理事・長年「日本寮歌祭」主催)
最近、ロシアは、日本固有の領土・北方四島の中の国後、択捉2島に、軍事基地の建設を始め、2014年に完成すると発表した。これは大変なことですよ。政府はどう対処しようとしているのか、教えてもらいたい。なお、私は、昭和36年から、「日本寮歌祭」を始め、50年間続けた。そこで今日は、有名な「琵琶湖周航の歌」を歌わせていただくとして、2番まで歌われた。
閉会の辞
堀渉理事
(岸信介総理秘書30年)
日本は、戦争に負けて戦後、政治家も国民も焼け野が原の中から懸命に働いて、復興を成し遂げました。昨年、人的・物的に大被害を受けた大震災の復旧・復興が捗りません。政治は選挙があるのでおいしいことを並べがちです。巨額の財政赤字を克服するには、政治家も国民も一体となって頑張らねばなりません。皆さん、当団体が先頭に立って、日本の再建を進めていきましょう。