平成22年5月28日(金) |
普天間問題はこう解決せよ! |
小川和久先生
国際政治・軍事アナリスト、外交・安保・危機管理など政府委員歴任
講話概要
いま、沖縄普天間基地移転にかかわる問題が迷走していることは、皆さま御承知の通りであります。特に普天間基地は街中にあり、沖縄県民の心情はよく分かり、沖縄施政権返還後からその移転に、日本政府も米側と長い年月協議してきました。
この問題の解決には、いろいろの提案もありますが、沖縄県民の心情を考慮するのはもちろんとして、日米安全保障条約との関係、また、核武装した中国、ロシア、されに北朝鮮からの核ミサイルから、日本国民をどう守るかという抑止力の問題等々、いろいろな角度から総合的に検討・判断する必要があります。
そこで、今回は、軍事アナリストとして知られ、また、外交・安保・危機管理など政府委員も勤められた小川和久先生から、御解説をいただきました。
その要旨は、特に橋本龍太郎内閣当時、普天間基地はアメリカが手放さないとの諦めムードの中にあって、小川和久先生は、街中の危険が多い普天間基地をなんとか返還してもらうべく米側とも話し合い、その後の歴代総理にも進言して来られた経緯を明らかにされ、その歴史的証言と長年にわたる御努力に感銘しました。また、鳩山由紀夫総理からもこの問題の首相補佐官にと乞われたが、側近グループの反対もあって実現しなかったとのことで、もし、小川和久先生が担当補佐官となっていたら、鳩山内閣もこれほど迷走しなかっただろう、と残念に思いました。そのほか、今後の日中関係、台中関係、対北朝鮮対策など、安全保障問題に対するその豊富な知識と提言には、大層勉強になり、その後の意見交換も盛んでした。