平成22年4月19日(月) |
2010年代・日本経済はこうなる! |
吉田春樹先生
経済アナリスト、元和光経済研究所社長・理事長、現在も役職多数講話概要
わが国の経済・財政は、860兆円とされる累積財政赤字に加え、本年度本予算は、税収が36兆余円なのに対し、支出が92兆円、そのうち国債発行(借金)が44兆円といった数字となり、いまこの兆を万に置き換えて家庭の家計としてみると、すなわち36万円しか収入がないのに、92万円もの支出があることになり、家計破綻、いや破産状態というい見方が多く、暗澹たる気持ちになります。
当協会会員一同、経済再建こそ喫緊の課題と憂えております折から、かつて和光経済研究所を主宰された吉田春樹先生が、日本経済を各方面・各分野から分析され、その打開策も検討されておられるのを知り、急遽、御講話のお願いに出ました。
その内容は、まず、ほとんど成長の止まったわが国の「失われた20年」の原因にふれ、外的要因もあったが、日本自体が成長のモチベーションを欠いたことを指摘。次いで、これから10年の国際経済情勢を分析され、EUは体制建直しに少なくとも数年を要するだろう。アメリカは金融商品の破綻で大きく後退したものの、回復しつつあるので、米ドルの基軸通貨の地位は変わらないが、その地位は低下する。反面、特に、中国、インド、韓国など東アジア諸国の台頭は目覚ましく、これら3カ国は5年後には第三の経済圏を形成する。しかし、日本は、このままでは、財政破綻する。日本国債の買手がなくなり、金利が暴騰する。大インフレとなり、IMF(国際通貨基金)が乗り込んでくる事態もありうる。これを避けるためには、早期に成長戦略を構築し、予想されるその第三の東アジア経済圏の中で、金融センター化を図ること。得意な「モノづくり産業」の発展育成を図ること等々提唱され、認識を新たにしました。