平成17年9月28日(水)

情報と国家戦略

太田文雄先生

太田文雄先生

防衛大学校教授、
前防衛庁情報本部長、元海将
講話概要

現代は「情報の時代」といわれます。企業においても、正確な情報をいち早くキャッチし、分析・対処しなければ、その企業の存亡に関わるだけに、情報獲得には懸命となります。
 この理は、国家においてはより重要です。現に、先の大東亜戦争では、我が国の暗号はじめ情報がアメリカに収集・解読されていたことが、大きな敗因とされています。
 そこで、今日の国際社会においても、主要各国は、独自の国際情報機関を設け、情報を収集し、それに基づいて国家戦略を立てています。 そこで、今日の国際社会においても、主要各国は、独自の国際情報機関を設け、情報を収集し、それに基づいて国家戦略を立てております。情報機関には、例えば、アメリカにはCIA、ロシアはSVR、イギリスはSIS、フランスはDGSE、ドイツはBND、等々があります。
 しかし、日本には、そうした情報機関がなく、諸外国の情報機関から情報をを貰っている状態です。当協会では、本年一月、細田博之内閣官房長官にお目にかかり、日本も内閣府内にそうした独自の情報機関を設置するよう要請書を提出しました。そうした折、頭記の太田文雄前防衛庁情報本部長が、同様の危惧に立ち研究されているのを知り、ご解説をいただくことにしました。
 そのお話は、外国から情報をとることの必要性を認めながらも、そうした情報収集能力・技能はなかなか一朝一夕には養成できず、また、それは天性の能力もあって誰でも出来るとは限らないとし、そうした能力を以下に引き出すかを、孫子の兵法はじめ色々な例証を挙げて説明下さり、大層勉強になりましたが、政府直属の情報機関を設置する点については明確にはされませんでした。  

<< <<