平成17年5月31日(火)

新「成長経済」の構想
 ――そのビジョンと進路――

斎藤精一郎先生

斎藤精一郎先生

NTTデータ経営研究所所長、千葉商科大学大学院教授
講話概要

国民は、十数年にわたる経済不況に、疲れきっております。国の財政赤字も800兆円に達し、地方債を入れると1,000兆円を超えるといわれております。中小企業の倒産は言うに及ばず、大企業の倒産・合併、さらには、大銀行までが合併して名前を変えており、社会生活・国民生活の不安は、年間三万数千人に及ぶ自殺者の数字にも、如実に現れております。
 政府はもちろん、財界も企業も、いろいろと不況打開の途を講じてはおりますが、しかし、なお、顕著な成果が上がっているとはいえません。
 そこで今回は、デフレ経済を乗り切り、新しい「成長経済」を築く構想を、提起しておられます斎藤精一郎先生に、その提唱しておられるビジョンと進路につき、御解説を頂くことにいたしました。
 その御解説は、学者でいらっしゃるだけにマルサスの人口論なども踏まえ、また、過去の不景気や恐慌の例を挙げ、さらに、現代の先進諸外国の数字とも比較しながらのお話で、我が国の財政が現況80数兆円かかるのに、税収が全く足らず、毎年35兆円ほど不足していて、極めて危険な状況にきている。世間には、消費税を大幅にアップするなど増税の主張もあるが、国民の強い反対も予想され、そう簡単ではない。事態がここまでくれば、インフレ政策しかないとも言えるが、それもよほどうまくやらないと大混乱となる。ともかく、日本は、当面、技術革新を極力進め、海外投資を積極化することが必要である等々、勉強になりました。  

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