平成16年11月30日(火) |
中国経済大予測シミュレーション |
門倉貴史先生
第一生命経済研究所・経済調査部主任エコノミスト(海外経済担当)講話概要
当協会は、万邦協和の精神に立ち、特に同じ東アジアの、韓国、中国、台湾とは、十五年前から国際漢字会議を回り持ちで開催するなど文化面での交流を深めております。ただ、経済面では、各企業から日中のトラブル相談も多く、当協会では最近、中国企業の信用調査機関、また、中国の弁護士35名のチームと紛争処理機関をつくる、などの後押しもしております。
ともかく、近年、上海など大都市の発展は目覚しいものがあり、中国の安い地価と賃金を求めて、日本企業も大挙して中国へ工場を作り、また市場として期待しております。しかし、この中国経済については、一方で中国の発展に乗り遅れないよう積極的に進出すべきだという人たちと、他方、今の中国経済はバブル崩壊寸前で極めて危険であるという人たちがおり、意見が分かれております。そこで、今回は、中国経済を各分野から詳細に分析し、その上で、大予測シミュレーションをされた門倉貴史先生に、御解説を頂くことにしました。
お話は、レジメ記載の30を超す分析図表を元に、中国経済を解説され、中国政府は経済過熱を抑えようとしているが、企業間で資金を融通しあっているので引き締めが効かない。農産物はじめ消費者物価が上昇している。オリンピック効果などで2010年位までは高い成長率を維持できよう。現在、為替レートは1ドル1.28元とされているが、実勢価格は6.88元で17.8%の割安である。しかし、切り下げると農業などで大量の失業者が出て不景気となり、世界経済にとってもマイナスになる等々、詳しいご解説があり、大層勉強になりました。