令和6年10月21日(月) |
石破茂総理成立の経緯と石破茂内閣の今後! |
高橋利行先生
政治評論家、元読売新聞解説部長・論説委員・新聞監査委員長
概要
自民党総裁選挙で、出馬したければ誰でも出てよい、という方針になったのは、自民党分裂を防ぎたかった岸田前総裁の意向が働いている。仮に下野することになっても、いずれ政権を取り戻すことはできるが、自民党は分裂してしまえば二度と元に戻らないからだ。そして、9人の立候補者の中から、高市早苗氏との決選投票を経て石破茂氏が新総裁に選ばれ、総理となった。
ただ、総裁選挙中は、すぐに解散しないと宣言しておきながら、総理就任早々に解散を言い出したことは大失敗で、いきなり支持率が20%台に低下してしまった。これによって、月例会当日までの世論調査では、讀賣と東京が「自民党は過半数割れで、公明党と合わせれば与党過半数維持」、朝日は「与党過半数割れ」と出た。私の予測は朝日に近い。維新の会が急減する一方、国民民主党が大幅に増えるとみられている。今後の国会運営は、法案を一つ通すにしても、国民民主党とどう協力するか、あるいは連立与党に入ってもらうかをめぐって、混乱するとみられる。だが、今は国際情勢が厳しさを増す一方で、弱い与党は外から見れば隙に映る。何とか自民党の安定多数を維持しなければ、今後の日本は厳しいことになる。
選挙結果は、御承知の通り、与党過半数割れという予測以上の自民党大敗に終わった。
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