令和6年1月19日(金)

どうする!自由民主党の再建策!

高橋利行先生

高橋利行先生

政治評論家・
読売新聞元解説部長・論説委員・新聞監査委員長等



概要

 キックバックでもらった金を政治資金収支報告書に記載していないことは問題だが、パーティー券のキックバックはどこでも行われており、違法ではない。国民感情がけしからんというのは分かるが、違法でない以上、罪には問えない。政治とカネの問題について、リクルート事件の反省から、自民党は平成元年に政治改革大綱、平成4年に政治改革の基本方針を作ったが、いまだに政治資金規正法はザル法のままである。かつて、中選挙区制の弊害が言われていた時、小選挙区制を導入すれば、派閥の力は弱まり、政治に緊張感が生まれ、政権交代可能な二大政党になるという触れ込みであったが、いざ導入されても日本の政治は何も変わっていない。派閥の力は弱まったが、政策提言の機能を喪失しただけで、カネの面では却って質が悪くなった。かといって、中選挙区制に戻しても、再び派閥の力が強まることになるので、結局、何も変わらない。
そもそも、クリーンな政治というが、何をもってクリーンな政治というのか、その基準もない。小選挙区制になって、選挙区は中選挙区制の倍以上の295になった。これを総裁一人の力で統率できるか、と言われると不可能である。だから、自民党の派閥はなくならない、というのが私の結論である。




ご案内状(pdf)

<< <<