平成23年2月28日(月) |
理工系大学の技術者における課題と提言 ──科学技術創造立国の実現にむけて── |
若林克彦先生
工学博士、元国士舘大学学長講話概要
学力の国際比較において、日本の小・中・高校から大学生にいたる学力が年々低下し、特に昔はトップクラスだった理工系の学力低下が著しいことが報道され、当団体教育部会はじめ、一同憂えておりましたところ、工学博士、前国士舘大学学長の若林克彦先生が、科学者・学校経営経験者としていろいろご提案されているのを知り、「理工系大学の技術者教育における課題と提言──科学技術創造立国の実現にむけて」と題してご講話いただきました。
その概要は、まず明治以来の学校制度・教育法の変遷を説明され、特に、敗戦により、それまで高等教育を受けたい人に複線的選択の余地があったのが、戦後改革で選択的余地の少ない単線的教育に変わったこと。すでに少子化が予測されていたのに、高等学校・大学の数が増え、いまでは全入時代に突入し、質的低下をもたらしたことが原因である。質を向上させるためには、根本から見直さねばならない。その例として、金沢工業大学がしているように、(1)自ら考える習慣を徹底させる。(2)教職員と学生との共同作業。(3)勉学して何をしたいのか、その目的と自覚を持つプロジェクトデザイン教育、を挙げ、次に、国士舘大学理工学部では、在学中に自ら小型フォーミュラーカーを設計・製造・走行して、アメリカの設計コンペに参加させているなど例証を挙げ、また、理工学部は4年制から5年制にする提唱もされ、勉強になりました。