平成22年1月20日(水)

皇室の弥栄(いやさか)

竹田恒泰先生

竹田恒泰先生

旧皇族・竹田宮家御出身、作家、慶応義塾大学講師


講話概要

平成21年末、今上陛下には、御在位20年をお迎えになり、また、御成婚50年を寿がれました。そうしたおめでたい行事が行われた新春なだけに、新年の祝賀交歓会には、会長代行・理事長の新春ご挨拶のあと、頭記のように、旧皇族・竹田宮家御出身の竹田恒泰様に、記念御講話をいただき、改めて、御皇室のいやさかを、お祈り申し上げることとしました。
 竹田宮家は北白川宮家の御分流で、御祖父恒徳殿下は、戦前スポーツの振興に御尽力され、御父君恒和殿下(戦後、臣籍降下)もあおのあとを継がれて、日本オリンピック委員会会長を務められたことで有名。したがって、恒泰様は明治天皇の玄孫にあたられる。恒泰様自身は、大学院で憲法学を教える一方、近代史研究で知られ、多くの貴重な書籍を上梓されておられます。
 その要旨は、古代より天皇は、西洋の王のように民を私物化することなく、仁徳天皇の有名な「高き屋にのぼりて見れば煙立つ、民の竈は賑わいにけり」の御製にあるように、常に国民の幸福を希われる御存在であった。軍部が起こした大東亜戦争についても、昭和天皇は、終戦の御聖断をされ、占領軍総司令官に「自分の身はどうなってもよい。国民に食糧を」と訴えられ、敵将を感動せしめた。我が国の国体は天皇・皇室にあっての国柄である。占領軍によって、十一宮家を廃され、「男系の皇統」の伝統に、常に不安が生じていてよいのか、いま国民主権いうが、わが国の主権は常に「皇室と国民との一体」にこそある。天皇はすべての国民に思いをいたされ、それは世界各国に対しても平等に扱われておられる。その点、先に、政治家が中国副主席の特別扱いを強請したのは、御心に反することである等々、感銘深いお話でした。

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