平成18年4月22日(木)

「日本の大転換」を提案する

大武健一郎先生

大武健一郎先生

商工中金副理事長、前国税庁長官


講話概要

日本人は、大敗戦の焼け野が原から、営々努力を重ね、世界第二の経済大国となりました。しかし、平成に入ってバブルが崩壊し、その傷は深く、未だにその後遺症に苦しんでおります。
 五年前、小泉内閣が発足し、大鉈を振るって構造改革と取り組んでこられたため、ようやく日本も景気上昇の機運が見えてきましたが、なお、国の財政赤字は八〇〇兆円を超え、まだまだ、財政再建は緒についたばかりで、油断はできません。しかも、日本は、世界一の超高齢社会へ突入、少子化も進み、戦後社会を支えてきた団塊の世代も定年退職を迎えます。そうした要因からしても、日本国民は、この事態をばしっかり認識し、朝野を挙げて日本再建に取り組まねばなりません。
 こうした折、大武健一郎元国税庁長官が、具体的な政策を掲げ、「日本の大転換」を提唱しておられますので、御解説をいただくことにしました。
 そのお話はまず、出生率低下に伴う総人口の減少、団塊世代の大量退職に伴う超高齢社会、貯蓄率の低下など、日本の現状を踏まえて、労働力不足を海外移民に頼らざるを得ない面もあるが、その場合には優秀な人材の選別が必要である。なお、国内政策としては、高齢者でもまだ元気な人の活用を図るとともに、高齢者の一人暮らしが増えて医療・災害時の不安があるので、こうした高齢者のための団地を造り移住させる。現在の核家族から大家族世帯を奨励することにより、現役夫婦の子育ての負担を軽減でき、出生率の向上や教育面・常識面の向上も図れる。また、日本は、江戸時代以前から美術工芸品に優れ、知的財産権の確保も完備しており、帳簿技術・在庫管理等々、諸外国に比べ優秀な能力を持っているので、この面をもっと世界に活用する政策を採るべきであると論じられ、一同、感銘し、その後の意見交換も盛んでした。

<< <<